本心の行方

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森川くんは、ハハッと声に出して笑った。 「まぁ。兄貴の店の手伝いは、もう、いいだろ? これからは、客として通ってやってよ。 とりあえず……ケリがついたら連絡する」 「……うん……」 胸が、いっぱいになっていく。 森川くんはスマホを取り出し、私の連絡先を聞く。 ずっと知らなかった森川くんのプライベートな連絡先。 私も、スマホを取り出して、森川くんの名前を刻んだ。 森川くんは、私の連絡先を入力し終わったスマホをサイドに、ポンとおくと、 ハンドルを握り、ギアを動かした。 「家の前まで送ってくから」 うん。 もう、無理やり降りようとは、思わなかった。 「ありがとう……」 それから、私たちはまた無言で、 ナビに表示された目的地まで、森川くんも静かに運転する。 沈黙は続いたけど、さっきとは違う。 ちょっと居心地が悪いのも、 何をどう話したらいいかわからないから……。
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