現実(続き)

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やっと、まっすぐ好きだって思える人ができたと思ったのに……。 終わり、なの……? 頭の中が理解することを拒んでいて、今の会話の整理もできていない。 森川くんが女にだらしないことは知っていた。 だけど、ずっと否定してた。 私は特別だと思い込みたかった。 あの彼女とだって、ケリ付けるって言ったじゃん。 どこまでが森川くんの本当の言葉で、どこまでがウソなのか、 見抜けなかった私が、悪いの……? 「優奈……?どうしたの」 建物の影から出てこない私を不思議に思ったのか、理沙がこっちに顔を出す。 「あ。うん。なんでも……ない」 「なんでもないって顔してないけど?」 「うーん。よくわからないけど……。 森川くんとは、終わった……のかな……」 口に出したとたん、それは現実のこととして一気に胸に襲いかかってきた。
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