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「お、おめでとう……」
驚いて、上手く言葉にできない。
理沙はすごくサバサバしていて、男っぽい一面もあるけど、
料理上手で、家庭的だし、きっといい奥さんになると思う。
だけど、仕事だってできるし、ここでもなくてはならない存在だし、
なにより、この会社で私がなんでも話すことができる友達は理沙以外にはいない……。
素直に喜んであげたいのに、寂しさが胸に広がる。
「あ、でも、仕事を辞めるつもりは今のところないからね。
働けるうちは共働きで頑張ろうと思ってるから!
子供が出来ちゃったら仕方ないと思うけど……」
理沙は私の不安を感じたのかな。
理沙の言葉に少しホッとしたけど、
一度も胸に広がった波紋は、なかなか消えてくれなかった。
「優奈も……。早く新しい恋が見つかればいいね」
理沙が目を細めながら言った。
うん。
私も小さく頷いて少しだけ笑った。
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