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「ふぅん……」
私の肩から首に回った森川くんの腕に、少しだけ力が入る。
座ったままなのに、少しづつ体も近づいてくる。
私は、固まったまま動けなくて、
そのままトンと森川くんの胸に顔がぶつかった。
緊張で止めていた呼吸を再開させると、この家に入ってきた時から感じていた森川くんの香りをずっと強く感じた。
森川くんの体温も。
微かに聞こえるような気がする胸の鼓動も。
全身で森川くんを感じる。
「じゃあ、手は、出せねぇな……」
森川くんはそう言いながらも、
もう片方の手で私の体を包んだ。
触れられたところから、熱が伝わって、体の奥が震える。
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