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私は、森川くんの体に腕を回して、ギュッと力を入れた。
「……後悔なんて、しないから」
森川くんの顔が少し下りてきて、
「優奈」
私の耳元で囁く。
ゆうな……。
初めてかもしれない。森川くんが私の名前を呼ぶの。
ただ名前を呼ばれただけなのに。
胸がギュウっと締め付けられた。
「こっち向いて……」
再び耳元で囁かれた声に、ピクンと私の体が反応した。
ゆっくりと視線だけ森川くんを見ると、
またフっと小さく息を吐いて笑う。
「大胆なこというわりに、ガチガチだな……」
「だって……」
なんとなく誰かに抱かれていた今までと、全然違う……。
心臓が張り裂けそうなくらい緊張してる……。
「口ちょっと開けて」
言われるままに、ほんの少しだけ口を開くと、
小さく笑ったままの森川くん顔があっという間に視界にいっぱいになって、私は目をつぶった。
少しだけ開いた唇の隙間から、触れると同時に入り込んだ熱い舌が柔らかく絡み合う。
「んん……」
森川くんとのキスは初めてじゃない。
だけど、
今までで一番、熱いキス……。
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