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「これは猫神様、お久しぶりです」
「やや。魯文は案の定、新聞記者と小説家を掛け持ちしているではないか。あのとき渡した眼球はお前さんのものではないのか?」
「それがどうにも眼ん玉が名残惜しくて、つい路地裏にいた犬の眼球を取ってしまいました」
魯文は正直に白状すると、猫神が合点したように苦笑しながら云いました。
「それで西郷隆盛は犬好きになって、上野に犬をつれた銅像が造られたわけだな」
そのようなわけで、明治の戯作作家である魯文と、未来から来た猫神にまつわる結構毛だらけ猫灰だらけ、どうにも奇妙奇天烈なお話でございました。
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