復讐するは猫にあり

6/6
前へ
/6ページ
次へ
「これは猫神様、お久しぶりです」 「やや。魯文は案の定、新聞記者と小説家を掛け持ちしているではないか。あのとき渡した眼球はお前さんのものではないのか?」 「それがどうにも眼ん玉が名残惜しくて、つい路地裏にいた犬の眼球を取ってしまいました」 魯文は正直に白状すると、猫神が合点したように苦笑しながら云いました。 「それで西郷隆盛は犬好きになって、上野に犬をつれた銅像が造られたわけだな」 そのようなわけで、明治の戯作作家である魯文と、未来から来た猫神にまつわる結構毛だらけ猫灰だらけ、どうにも奇妙奇天烈なお話でございました。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加