526人が本棚に入れています
本棚に追加
「ゲームじゃないですよ」
目の前の聡太くんの唇が、ハッキリとそう動いた。
そして、その唇が口角を上げる。
「俺、オネエサン好きです」
言った瞬間、唇が重なった。
人間、本当に驚いた時は、本当の本当にカチコチに固まるんだな。
って、文句なしでそう思った。
優しく触れた唇。
私を抱き締めている腕の力と、重さ。
そして息づかい。
ああ、この子は男の子ではなかった。
ちゃんとした男だったんだって……。
その時初めて気付いた。
最初のコメントを投稿しよう!