いちごのそーだ

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「俺がよくいちこちゃんのこと話してるから」  不思議顔の私の疑問に答えるように、聡太くんがそう言った。 「そうそう、聡太ってばいっつもいちこちゃんの自慢ばっかするもんだから」 「俺達すっかりいちこちゃんファン」 って、いきなりそう言われて驚いた。  だって、ファン……だなんて。 「でもアレだよな。一番のファンは一也」 「え?」 「あれ?知らないんすか?あいつ筋金入りのシスコンっすよ」  その可笑しな言動に、些か戸惑った。 …………………………ん? 「えーーーーーーーーーーッ!?」  思わず、大声で叫ぶ私に、 「だから一也の奴、最近聡太に当たり強い強い」  そう言って2人が大笑いする。 「とーみーおーかー!余計な事言わなくていいよ」  そんな2人を聡太くんがすぐさま止めに入る。  ちょっと怒ったように、でもちょっとだけ、微笑みながら……。  騒ぐだけ騒いで過ぎ去って行った2人は、まるでハリケーンのようだった。
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