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「それって贅沢な悩みよ。顔ヨシ、頭ヨシ、性格だって悪くない」
そう言いながら化粧室の鏡を覗き込み、入念に化粧崩れをチェックするのは同僚の秋恵。
「ただちょっと年下ってだけでしょ、我慢しなさい」
分かってる。
そんな事、秋恵に言われなくたって充分分かっている。
けど。
「……ちょっとじゃない」
ボソッと呟いたその言葉に秋恵が振り返った。
「だったらやめなよ。別れな。私最初に言ったよね?やめなって」
それを言われると、黙るしかない。
『8つも年下なんてやめなよ。29歳の女にはリスクが高過ぎる』
って、確かに秋恵はハッキリとそう言っていた。
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