不幸な宝くじ

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私は、児童福祉施設にいつもと同じように通って、ボランティア活動を続けていた。 宝くじの行方が気になっていた私だったが、ある日、私が投函した封筒が園長先生の机の上にあることを見かけた。 私は、封筒が無事園長先生の手元に届いたことを知り、少しほっと安堵した。 何しろ1億円もの大金である。 誰か別の人の手に渡って、行方不明にならないか心配だった。 園長先生を信頼していた私は、園長先生の手元に届いたのなら安心できると思った。 しかし、その日から数日たっても、宝くじのことが話題になることはなかった。 私は、不安になった。 (宝くじの1億円は、いったいどうなったのだろうか?) いろいろ悩んだ末、私は児童福祉施設を運営する市役所に電話することにした。 私は、宝くじの当たり券を児童福祉施設の郵便受けに投函したことを市役所の職員に正直に伝えた。 また、事情があって名前は公にしたくないことも話して、理解してもらった。 市役所の職員は、状況を確認して私に報告してくれると言ってくれた。 私は、電話で対応してくれた市役所の職員の名前を聞いた。 そして、私の連絡先を伝えて、報告してもらうことにした。 何しろ、1億円という大金である。 私は市役所の職員に、このようなお願いをしても良いだろうと思った。
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