下校時の買い食い

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下校時の買い食い

吉村慎平は、毎日、コンビニでカフェオレを買って帰るのが習慣になっている。 それに付き合うのが習慣になってしまったのが、村野将志。 慎平と将志は、高校入学してからの親友。 付き合いは、2年を過ぎた。 「ちょい」 将志を呼んだのは、毛量が多過ぎ、寝癖も多過ぎる慎平だ。 既に帰り支度の済んでいる慎平が、隣のクラスから、将志を呼びに来たのだ。 「お?お前から来るとは珍しい。てか、一日その髪?」 慎平ほどの毛量はないにしても、髪型には気を付ける将志は、自分の髪型を整えながら聞いた。 「直すのメンドい、てきな」 そう答えたが、言われると気になるのだろう。寝癖だらけの頭を手櫛でセカセカと撫でつける。 「で、何?急ぎ?」 「お!こうしてる場合か!新発売のカフェオレが、売り切れる!」 「あ~、ね。それで」 「だ!急げ!」 が、結局、いつもと変わるない緩いペース。 お互いが、通学用自転車を、今にも倒れそうなスピードでこいでいる。 コンビニに着いたのは、いつもと同じ時間だ。 「さ、新発売のカフェオレ!」 「ちょ、少しくらい待てって!」 慎平は、将志に構うことなく、商品棚にまっしぐら。
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