第1章

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 数字の先頭から数えて5、2、4、6、0、7。合計で約52万だった。  この金を切り崩しながら、職を探すには、無謀過ぎるような気がした。  不安が押し寄せてくる。崖っぷちに立たされた俺は、一つの望みにかけることにした。  テレビで流れていた宝くじのCMを見てそうだ会社を辞めて宝くじを買おうと呟いた自分自信に驚いたのは、つい先日のことだった。  最初は、精神的にどこかおかしいのかと疑いもしてみたが、結果的にそれしかないと自分で決めつけてしまっていた。  それから、しばらくして俺は会社を辞めた。  その後、宝くじの時期が来るまでなんとか金を残そうと思ったが、最終的に残ったのは、10万円。銀行から降ろしたばかりの全財産を財布に詰め込んでから、宝くじ売り場に向かった。  ダメだったら、親に金を借りればいい。そう考えて俺は、大金を宝くじに投資した。 
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