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「・・き、キミ!その砲は何センチなんだ!?」
「トゥルーデ、トゥルーデ、落ち着いて・・新人さんが怖がってるよ。」
「・・む・・す、すまない。つい、興奮してしまって・・。」
「・・ま、でも私も気になるなア。それ。何センチなの?」
アドリア海上空にて迎撃中だった大型ネウロイを一撃でコアごと破砕した化物砲。第501統合戦闘航空団-ストライクウィッチーズ-の面々はその砲に目を奪われていた。なにしろ、20ミリや30ミリではコアを露出させるのが精一杯なのだ。・・それを、コアごと、しかも一撃で。・・それは興味津々でいられないだろう。
「え、えーと・・」
「あの、その、えっと・・」
「ほらほら、困ってるじゃないか。はっはっはっ。・・ま、まずは所属・・それに階級を申告してもらおう。・・あ、私は坂本美緒海軍少佐だ。・・キミ・・達は?」
「あー・・ほら、ふよ。」
「・・あっ。・・え、えっと、申告致しますっ!・・えーと、げ、現時刻付けで貴隊へ着任します、敷浪芙蓉少佐、並びに・・」
「あー。河辺渚陸軍伍長であります。少佐ドノ。」
『陸軍』という単語を聞いた途端に坂本は顔をしかめさせた。・・まるで、嫌なことを聞いてしまった、というような顔だ。
「・・陸さんか。」
「ええ、何か?・・今は同じ皇国軍人・・同じ少佐ですが。・・あ、ええと・・ミーナ中佐は・・そちらの方、でしょうか?」
「・・ええ。私がミーナ・ディートリンデ・ヴィルケです。・・ちょっと、ミオ?」
「ッ・・ああ、すまない。どうしても、な。」
・・セクショナリズム。・・組織力学。とく、日本皇国陸海軍のそれはそれこそ『陸軍と海軍で戦争をしながら、ネウロイと戦っているようなものだ』と称されるほどのものであった。・・もっとも陸海の対立は他の・・たとえば、リベリオンやオラーシャ、あるいはブリタニアやカールスラントでも存在するので、なんとも言えないのだが・・。
「・・我々がこちらに来る際に受けた辞令は2つであります。・・一つ貴隊、ストライクウィッチーズの指揮下に入ること。一つ、飛行型ネウロイと接触した場合はやむを得ない場合以外、戦闘を禁ずる。・・以上であります。・・では、命令を、隊長。」
「・・ミオ?」
「・・あ、ああ。・・帰還しよう。・・帰ったら、武装などについても細かく聞かせてもらいたいな。」
「わ、私も混ぜてくれ!」
「トゥルーデが暴走してるー・・。」
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