第1章

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ふわりと匂う多分桜井の香水。 抱きしめられる感覚がイマイチ理解出来てなくて、突き放すことも出来ず固まる私。 「あの…」 私が口を開くと、バッと放される。 「悪り…オレ帰るわ」 去り際に見えた、桜井の横顔が、耳まで真っ赤だった。 なんで、私抱きしめられたのかな 私は一人ぼーっとしながら歩いた。 絵莉からのラインに気付いたのは、駐輪場に着いてから。 "加乃、どこー?カラオケ行かないのー?行っちゃうよ?" もう10分も前に届いてて、私は謝りのラインを入れて、携帯をしまった。 ドキドキする心臓の音。 未だに残る匂いと感覚。 初めて、男性にここまでされたのは桜井しかいない。 変にドキドキしてきちゃった 自転車に跨り、叫びたいのを我慢し私はマッハで自転車を漕いだ。
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