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ふわりと匂う多分桜井の香水。
抱きしめられる感覚がイマイチ理解出来てなくて、突き放すことも出来ず固まる私。
「あの…」
私が口を開くと、バッと放される。
「悪り…オレ帰るわ」
去り際に見えた、桜井の横顔が、耳まで真っ赤だった。
なんで、私抱きしめられたのかな
私は一人ぼーっとしながら歩いた。
絵莉からのラインに気付いたのは、駐輪場に着いてから。
"加乃、どこー?カラオケ行かないのー?行っちゃうよ?"
もう10分も前に届いてて、私は謝りのラインを入れて、携帯をしまった。
ドキドキする心臓の音。
未だに残る匂いと感覚。
初めて、男性にここまでされたのは桜井しかいない。
変にドキドキしてきちゃった
自転車に跨り、叫びたいのを我慢し私はマッハで自転車を漕いだ。
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