21人が本棚に入れています
本棚に追加
「高澤!」
追いかけてきた今ちゃんが、隣に並んだ。
「ああ、お疲れ様」
「帰んの早いね」
そう?と会話しながらグラウンドに出る。
いつもは部活が始まる前には学校を出るから部活動をしている時間に帰るのは久々だったりする。
…今日はサッカー部みたいで。
「…相変わらず紫音のガヤがすげーな」
今ちゃんも苦笑い気味に言う。
「煩いよね。よくこんな中部活できるよ、ほんと」
横目に、グラウンドを抜ける。
「…ほんと、高澤って紫音興味ないのな。珍しいわ、俺なんて紫音目当てで話しかけられることしょっちゅうだぜ」
「今ちゃんも迷惑だね…」
「まあ、中学からだから慣れたけどな」
そっか、と言っていると今ちゃんは改めて私を見てくる。
「高澤は?紫音みたいな奴タイプ?」
「…んー、カッコいいとは思うけ」
「高澤っ、危ないー…」
と、私を庇うように今ちゃんが私を引き寄せた。
何!?と驚く暇も無く、ボールがこっちに勢い良く降ってきた。
最初のコメントを投稿しよう!