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「キャ…」
ドスッとボールが腹辺りに直撃してしまった今ちゃん。
「ってー…誰だよ…」
今ちゃんは案外平気そうに、睨むようにグラウンドを見る。
まさか、と思い、私もそっちを見る。
転がるボールを取りに来たのは、やっぱり桜井だった。
「良輔、悪い、平気?」
「お前…」
「ちょっと桜井!危ないから!
頭に当たったらどうす…」
「だから、悪いって言ってんだろ
わざとじゃねぇよ」
桜井は目を合わすことなく、逆ギレのように強い口調だった。
「…今ちゃん、大丈夫?」
「うん、平気」
「……」
桜井は、さっさとボールを拾うといなくなった。
「何アイツ…」思わずこぼれる。
「…高澤はチャリだっけ?
俺駅だから、また明日な」
今ちゃんはそう言うと、手を振り校舎を出ていく。
今ちゃんの後姿を見送る。
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