第1章

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次の日、 私と絵莉は奏多の学校へ来ていた。 「ね、加乃、昨日桜井くんに何か言われた?」 ドキッとした。うわ、やだな…なんか 「言われてはない」 「言われては…?じゃあ、何かあったな」 「何もないって。あ、ほら始まるよ」 バスケの試合は、中学から奏多の試合を見に行ってるから何となくルールはわかる。 でも、高校に入って、初めての試合は奏多も出ないみたいなのに、私来る意味あったのかな… 自分の唇を舐める癖が 昨日を思い出す。 うわ、ちょっとやだ…。 ピーッと笛が鳴る。私は前を向く。 奏多、は何処だろう 「あ!奏多いたよ!」 絵莉が先に見つける。本当だ、やっぱりベンチなんだね… 試合が始まり、 スパイクと床のキュッキュッて音 ボールがバウンドする音が大きく響く。 凄い。 中学の頃とは比べ物にならないくらい本格的だった。 敬応高校を応援する声 相手高校を応援する声が飛び交う中、私は奏多を見た。
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