第1章

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いけー!と大きな声で声援を送っているけど、どこか寂しそう。 奏多も出たいんだよね 私の方を見た奏多と、目が合った。 ニコッと微笑むと、笑い返してくれる。 そして、スッと後ろへ下がった奏多は、私に来いっと指で差してきた。 え?抜けていいの? うん、と頷く奏多。 私は言う通りに、観客から離れる。 「ん?加乃どこ行くの?」 「か…おトイレ」 「いってら」 うん、と私は離れた。 体育館から出て、外に出る。 奏多、何処だろう キョロキョロしてると、加乃っと呼ばれる。 「奏多、」 「来てくれてサンキュ」 「うん、でも奏多が出てないと応援しにくいよ」 「だよな…でも、加乃に見せたかったんだよ 高校のバスケの凄さ。やっぱり全然違うってところ」 「本当だね、始まった瞬間のボールの奪い合いから目が離せなかった」 「だよな!流石先輩たちだよ」 「…奏多も頑張ってね、レギュラー取って、そしたら私でっかい声で応援するから!」
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