第1章

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家に着くまでの間、奏多と他愛のない話ばかりしていた。 やっぱり、奏多といる自分が一番自分らしくいる気がした。 きっと、奏多も同じ気持ちだと思う… 「じゃあ、またね」 今度、いつ会うんだろうなと思いながら、奏多と別れた。 「加乃」 「ん?」 私は振り向く。 「…嫌、やっぱりいいや じゃあな」 片手を上げて、奏多は家へと入っていった。私も家へ入る。 * * * 数週間が過ぎて、私たちはテスト勉強に追われていた。 「あーもー中間テストやだあー」 亀ちゃんが、早くも根を上げる。 「ちょっと休憩~」 絵莉も手を止める。 私は黙々と数学と戦う。 「ねー加乃ー、」 亀ちゃんが邪魔してくる。 「ちょっと待って…」 「…桜井くんと、どうなったの?」 御構いなしに亀ちゃんは聞いてくる。 思わず、ペンが止まる。
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