21人が本棚に入れています
本棚に追加
家に着くまでの間、奏多と他愛のない話ばかりしていた。
やっぱり、奏多といる自分が一番自分らしくいる気がした。
きっと、奏多も同じ気持ちだと思う…
「じゃあ、またね」
今度、いつ会うんだろうなと思いながら、奏多と別れた。
「加乃」
「ん?」
私は振り向く。
「…嫌、やっぱりいいや
じゃあな」
片手を上げて、奏多は家へと入っていった。私も家へ入る。
* * *
数週間が過ぎて、私たちはテスト勉強に追われていた。
「あーもー中間テストやだあー」
亀ちゃんが、早くも根を上げる。
「ちょっと休憩~」
絵莉も手を止める。
私は黙々と数学と戦う。
「ねー加乃ー、」
亀ちゃんが邪魔してくる。
「ちょっと待って…」
「…桜井くんと、どうなったの?」
御構いなしに亀ちゃんは聞いてくる。
思わず、ペンが止まる。
最初のコメントを投稿しよう!