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「それで夏見さんを見た時の事で君の兄さんは他に何か気付いたり見てないかい?」
「特に何も…
あぁ、でも、兄さんの写真を見て気付いた事が有ります。」
「それは?」
「あの人…夏見さんはいつもは窓を開けて星空を見ていました
でも写真では夏見さんの部屋の窓は閉まっていたんです。」
「その写真は今、見れるかい?」
「ええ、どうぞ、これです。」
携帯の画面に写る写真には白い服の着た人間が写っていて圭介君が言う様に確かにその窓は閉まっている。
「この写真だと夏見さんの顔ははっきりしないな」
「画像を拡大して見てください」
拡大すると夏見さんの顔の辺りがある程度鮮明になる
それでも夏見さんの顔ははっきりとはしない、だが首にはロープなどは写っていない
「可能性としては君の兄さんが見たのは夏見さんではない可能性だけど」
「でもここで首を吊っていたのは間違いなく夏見さんですよね
だったら雄介さんが見たのこの人は誰だったのでしょう?」
「こういう場合、夏見さんの替え玉がいたと考えるのだが…」
「だったらよ、怪しいのはあの夏希とかいうねえちゃんだろう」
「確かに、夏見さんに似ている夏希さんなら可能だね
そこら辺の話の確認は清田刑事に頼んでみようか?」
早速、幽亮さんは携帯で清田刑事に電話する。
「どうした幽亮、何か分かったか?」
「実はですね…」
幽亮さんが替え玉の可能性を話す。
「はぁ―」
電話越しでも分かるくらいの大きな溜め息が聴こえた。
「お前でも考える事は一緒だな
だが、その可能性はない
つい先程、夏希と夏彦にそれに関連して話を聞いてきたからな」
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