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「そこで拓也さん、あなたに怨みがある人物はいませんか?
またはその西洋人形について思い当たる事は無いですか?」
「そう言われても…
いや、待てよ…そうだ、あの人形は確か二年前…」
拓也さんは思い出す様に話し始めた。
「あれは確か…二年前の事です。
当時、僕には斎藤 愛という恋人がいました。
彼女…愛とは合コンで出会いました。
愛はN会社のOLで実家に父親と一緒に暮らしていると言っていて
家族思いのとても優しい性格の女性でした。
僕はそんな愛とすぐに意気投合して、付き合うようになりました。
仕事の関係上、お互いに忙しくて普段からあまり恋人らしい事は出来ませんでしたが、それでもお互いに愛していましたし結婚の約束もしていたんです。
でも、付き合って1年後の事です。
愛から急に別れのメールがきて、それから愛と連絡が一切取れなくなりました。
僕がもう一度愛と話をするために愛の実家に連絡を入れても愛の行方は分からずじまいで
しばらくして愛の父親が警察に失踪届けを出したそうです。」
「その話と西洋人形が何か?」
「はい、愛と付き合っていた時に一度だけ愛の実家に遊びに行ったときに
愛の部屋に置いてあったんです、僕が見た人形にそっくりの物が…
あの時…確か、愛が言うには母親の形見だそうですが」
「なるほど、その話が確かなら一応確認してみた方がいいですね。
幸いメリーさんが現れる時間にはまだ時間がありますし、
拓也さん、愛さんの実家の住所を教えて下さい。」
「はい、これが住所です
愛の父親には僕の方から連絡を入れておきます。」
「ありがとうございます。」
そして僕と幽亮さんは愛さんの実家に向かった。
メリーさんが現れるまで残り…8時間
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