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「でも、一度も窓辺にあの人が現れる事はありませんでした。」
「ですが…2日前の夜の事です
その日、珍しく僕よりも遅くに兄が帰ってきました。」
「いつもの兄にしては遅く帰ってきたので、話を聞くと部活でたまたま遅くなったそうで
しかも、その時に兄は急いで帰るために近道をして来たんだそうです。」
「そう、僕と同じであの家を通る近道を通ってです
そして、その時に見たんだそうです。」
「窓辺から星空を見る綺麗な女の人を…
兄の話ではその女の人は星空をぼんやり見つめていて
そのまま、スウッと消えて行ったと…」
「それで兄はもっと見ようとしたそうなんですが
そこが二階の窓だった事と消えてすぐにカーテンが閉じられてしまった事から諦めたそうです。」
しかし最初に見た時に兄はあれが噂になっている幽霊なのではないかと
そう思って見た時にすぐに写真を撮っていました。」
「僕が警察で見せたのは兄が撮ったその写真です
見せられた写真と兄の話を聞く限り、兄が見たのは僕がいつも見ていたあの人と同じ人でした。
だとすれば、僕が見たあの人にもう一度会いたい…
それで悠太君達には真実を隠して相談しようとしたんです。」
「それで3人で見に来て
ここであの人
首を吊った夏見さんを発見したんだね。」
幽亮さんが納得する。
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