152人が本棚に入れています
本棚に追加
清田刑事の話では…
夏希の家に行くと夏彦が居て出迎えたそうだ。
「刑事さん、今日はどういう用件なんですか
夏見ちゃんは自殺だと聴きましたが…」
「ええ、その事なんですが、1つ問題が在りまして…」
「問題ですか?」
「ええ、この間の3人組の高校生の内の夏見さんを最後に目撃した少年の話と少々、事実が合わないので
確認も兼ねてもう一度、夏見さんが居なくなった時のお話を…」
「そんなの、その高校生の見間違いでしょう
なんなら私の知り合いの眼科医でも彼に紹介しますが」
「はぁ、それは…
ところで夏希さんはいらっしゃいますか?」
「夏希ちゃんなら今は市役所に行っていますが、もうすぐ帰ってくるはずです。」
ガチャ
ちょうどその時、玄関が開いて、夏希さんが帰ってきた。
「あら、刑事さん…今日はどうしたんですか?」
どうやら前よりは幾分か悲しみは和らいでいる様だ
「夏見ちゃんが居なくなった時の話をもう一度、聞きたいそうだ」
「お姉ちゃんが居なくなった時ですか?
前にお話をしたと思いますがお姉ちゃんは時々、何処かに出掛けては2、3日すると家に帰ってきていました。」
「夏見さんはその行き先について何か言っていましたか?」
「いいえ、特には…
でも、今思えば、お姉ちゃんは自殺したあの家に行っていたのではないでしょうか
幼い時を最後に行った時よりも家の中の様子が変わっていたので」
「はぁ、ではその他に何か気付いた事は有りませんか?」
「気付いた事ですか…
そう言えば、お姉ちゃんには好きな人が居たみたいです。」
「夏見さんがそう言ったんですか?」
「いいえ、でもなんとなく分かります
昔から家でお姉ちゃんが窓を開けてよく星空を見ていた時は決まって好きな人を思い浮かべてる時でしたから。」
「因みにその人物に心当たりは有りませんか?」
「ごめんなさい、そこまではちょっと…
夏彦叔父さんは何か知らない?」
「いや…夏希ちゃんと違って夏見ちゃんは物静かな子だったからな」
最初のコメントを投稿しよう!