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「それは3日前の事件の目撃者でもあるこの圭介君が教えてくれます。」
「なに、犯人を見ていたのか
どうして警察署で話さなかった?」
「すみませんでした、清田刑事
先程、ここで事件について話していて偶然にも思い出してくれたんですよ」
「だったら、さっき電話で言え…」
「まぁまぁ…さぁ、圭介君
君が見た犯人はここにいるかな?」
「はい、僕が見た犯人は…ここにいます!」
「その犯人を指差してみてくれるかな?」
「はい」
圭介君が指を差し、はっきりと言う
「あの人です。」
「えっ?」
「そんな嘘でしょ…」
真っ直ぐに指を指されたのは夏彦さんだった。
「何を馬鹿な、俺が犯人?
そんな訳ないだろう。」
「どうしてですか?
事件の目撃者が見たと言っているんですから
ねぇ、清田刑事?」
「あぁ、確かに目撃者が見たと言うなら、決定的だな」
「刑事さん騙されないで下さい
こんなのデタラメに決まってる
その少年は嘘ついているんだ…そうに決まっている!」
「いえ…圭介君は嘘なんかついていませんよ。」
「黙れ!
そうだ検査だ…」
夏彦さんが思い付いた様に言う。
「その少年の検査をしてくれ。」
「検査ですか…?」
「しかしですね…夏彦さん、検査と言っても何の検査をするんですか?」
「決まっているだろう!
視力だよ、視力検査をするんだ」
「圭介君が目撃した時は夜でしたが、月明かりもあって見通しは良かった、彼の視力は問題無いでしょう」
「確かに、理由も無しに彼の目の検査は出来ませんが、夏彦さん?」
「いや、彼は普段、眼鏡をしているんだ、だから絶対に目が悪い筈だ!」
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