プロローグ

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一見すれば怪しいことはこの上無い広告だったが… 僕はこの広告からなんとも不思議な雰囲気が感じられた。 それは何故かって? 【実は僕には霊感があるのだ】 僕は幼い時から何故か他のヒトには見えてはいない何かが見えていた。 人の後ろにぼんやりと佇む人の様なものから決してそこにいるはずがないものまで もちろん、当時その事を幼稚園での友達や周りの大人に話したところで信じてもらえる訳などなく しまいにはそんなふうに変な事を言う僕を周りは避け始めた 遂に幼稚園で友達と呼べるのが誰もいなくなり孤独な毎日だったが それでもいつも母だけはそんな僕の話をきちんと聞いてくれた。 「誰でも小さい時はね、不思議なものが見えるのよ」と… だけど、それはぼくが小学校に入っても直ることは無かった 逆にはっきりと見えるようになっていた… そして、小学校でもその事で友達ができなかった僕は遂に見えても黙っていることにした。 そうする事で僕が周りから変な奴みたいな扱いをされない様にする為に… それからというもの僕は中学に上がると他のヒトには見えていないものや聴こえないものには極力関わらないようにしながら なんとか数少ない友達もでき… こうして高校生へとなる事が出来た。 そんな僕が今まで関わらないようにしてきたにも関わらず 何故だかこの広告にいつの間にか惹かれていたのだ。
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