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倒れてしまった拓也さんを幽亮さんと一緒に介抱すると
しばらくして拓也さんが目を覚ました。
「拓也さん、大丈夫ですか?」
「あぁ…、ありがとう
君は確か直也君だっけ…」
少し眠っていたからかそう言った拓也さんは先程よりも顔色が多少良くなったようだ。
「そうです、でも何がどうなって」
「それは、その…」
拓也さんは言いたくないのか口籠もる。
「メリーさん、それがあなたの抱えている問題の原因ですね。」
「大丈夫、僕らは専門家です、必ず解決致します。」
幽亮さんがはっきりと言う
その時、僕は確かに幽亮さんは専門家だろうけど…
僕は今日が初めてですとは言えなかった。
「分かりました、どうかお願いします、あれはそう…」
事の始まりは二週間前…
僕は会社でプログラム関係の仕事をしているのですが
最近、大手との取引の関係で会社に遅くまで残って仕事をする事が多く
その日はいつもより遅くなり辺りもすっかり暗がりで
とにかく急いで帰ろうとふと、背後に気配を感じたんです。
僕はすぐに振り返ったんですが、誰もいない…
最初は気のせいだと思いました。
しかし、気のせいではありませんでした。
その日を境に日を追うごとに、気配が強く、確実に近くなっていったんです。
心配になって病院に行っても、医者からは仕事の疲れからくる幻覚だと言われる始末でした。
そして一週間前のことです。
その日は特に気配を強く感じました。
背後から僕へと近付く何かの気配を
でも、例の如く後ろを振り返っても誰もいないのです。
しかし、前を向いて歩くと確かに背後から何かが近付いて来るのです。
このままだと今にも僕のすぐ後ろに迫ってくるそう思った僕は怖くなってマンションまで振り返りもせず走りました。
そしてやっとの思いでエレベーターに乗りこみ扉が閉じる瞬間
マンションの入り口に一瞬不自然な西洋人形が見えたんです。
あれは何だったのかと思いながら、部屋に戻った時でした。
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