3話

8/15
前へ
/544ページ
次へ
給湯室は確か二階の隅にある。 あいつは大丈夫か? 『一人が嫌なの。』 そんなこと言ってたな…。 『孤独が凄く怖いの....。』 怖がってるだろうな。 もっと.... もっと速く行ってやらないと。 俺は全速力で階段を駆け上がった。 通路には物や割れたガラスの破片が散らばっていた。 そして給湯室に到着した。 給湯室のドアは倒れた棚でふさがれていた。 「おい!中にいるのか?!」 数センチ開いたドアに向かって問いかけた。 中をのぞき込むと石貫と目が合った。 「柳田くん....?」 消えそうなくらいの弱々しい声だった。 石貫の大きな瞳には 溢れんばかりの涙がみえた。 「大丈夫か?」 「転んだ時に頭を打って気絶してしまったの。 その時に捻挫もしちゃって....。 ドアも開かないし、誰もいないし.... 私....どうなっちゃうんだろうって....。」 石貫は話しながらどんどん震えていった。 どうにかして安心させないとな。
/544ページ

最初のコメントを投稿しよう!

325人が本棚に入れています
本棚に追加