325人が本棚に入れています
本棚に追加
給湯室は確か二階の隅にある。
あいつは大丈夫か?
『一人が嫌なの。』
そんなこと言ってたな…。
『孤独が凄く怖いの....。』
怖がってるだろうな。
もっと....
もっと速く行ってやらないと。
俺は全速力で階段を駆け上がった。
通路には物や割れたガラスの破片が散らばっていた。
そして給湯室に到着した。
給湯室のドアは倒れた棚でふさがれていた。
「おい!中にいるのか?!」
数センチ開いたドアに向かって問いかけた。
中をのぞき込むと石貫と目が合った。
「柳田くん....?」
消えそうなくらいの弱々しい声だった。
石貫の大きな瞳には
溢れんばかりの涙がみえた。
「大丈夫か?」
「転んだ時に頭を打って気絶してしまったの。
その時に捻挫もしちゃって....。
ドアも開かないし、誰もいないし....
私....どうなっちゃうんだろうって....。」
石貫は話しながらどんどん震えていった。
どうにかして安心させないとな。
最初のコメントを投稿しよう!