3話

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「大丈夫だ。よく聞けよ? このドアは棚がふさいでるんだ。 今から俺が棚を動かすから安心してくれ。」 「うん。」 石貫は子供のように手で涙を拭いた。 「すぐ皆のところに行けるから。 もう少しそこで頑張ってくれ。」 そう言ってドアから離れた。 棚は二つ重なっていた。 一つ目をどかす。 二つ目は少し重い。 「柳田くん、大丈夫?」 少し手こずっている俺に 心配して問いかける石貫。 このままでは不安にさせてしまう。 「こう見えて、俺力あるから心配するな。」 石貫からの返事がない。 「石貫?石貫、大丈夫か?」 俺は慌ててドアから石貫をみた。
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