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「これは階段もあるし、無理だな。
背中に乗れ。」
俺は石貫に背中を向けてしゃがんだ。
「えっ…でも。
私スカートだし。」
石貫は恥ずかしそうに言う。
「これ巻いとけ。」
俺は上着を脱いで渡した。
「ありがとう。」
石貫は急いで上着を巻き
俺の背中に身を預けた。
俺の首に回った石貫の腕から
微かな震えが感じられた。
「ちゃんとつかまってろよ。」
「はい。」
俺は外へと急いだ。
外に出るまで
さほど時間はかからなかった。
外に出ると、石貫を待っていた人達が集まってきた。
「足を捻挫しています。
それに頭も打ったみたいなので、
急いで病院へ!!!」
すぐさま準備してくれた車に石貫を乗せた。
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