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俺はそっと車から離れた。
車の中の石貫が何か言いたそうだ。
「柳田くん、ありが....。」
「彩花ー!大丈夫だったの?」
途中で石貫の連れが割って入った。
他にも安否を確認しに来る人が沢山いた。
俺は車に背を向けて歩いた。
そこに立ちはだかる人がいる。
「柳田。お前って奴は。」
原主任だ。
俺は目を逸らす。
原主任は俺がかぶったままのヘルメットを
自分の持っていたヘルメットで
コツンコツンと叩きながら話しだした。
「お前は、俺の言うことを聞かずに行きやがって。
お前のような大男が社内で倒れたりしたら
どうするつもりだ。
運び出す身にもなってみろ。」
「すみませんでした。」
俺は叩かれるのをじっと受け入れるしかなかった。
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