3話

14/15
前へ
/544ページ
次へ
「昨日会ったばかりじゃない。」 奈央は私が入院してから ほぼ毎日顔を見せに来てくれる。 「何よー。嬉しいくせに。」 「嬉しいわよ。ありがとう。」 奈央はいつでも優しく接してくれる。 一緒に居るだけで心強い友達だ。 「ところで柳田くんはお見舞いに来たの?」 会社の人達は何人かお見舞いに来てくれたが 柳田くんは来ていない。 「きっと来ないよ。 早くお礼をいいたいんだけどなぁ…。」 「ごめんってば。私のせいで言いそびれたんでしょ?」 奈央は口を尖らせて言う。 「だから私がお詫びの気持ちも込めて 柳田くんにお見舞い行くように勧めてるんだけどね。 あいつったら、いうこと聞かないんだから。」 奈央はますます尖らせた。 「明後日から復帰するし、その時に直接言うから そんなに急かさなくても大丈夫よ。」 私は自然と笑がこぼれた。
/544ページ

最初のコメントを投稿しよう!

325人が本棚に入れています
本棚に追加