3話

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「なんだか、幸せそうね。」 奈央はニヤニヤしている。 「そ…そうかな?」 「うん。なによー。 助けられて恋に落ちちゃったわけ?」 私は顔が火照った。 「違うのっ! 地震で閉じ込められたとき一人で物凄く怖かったけど、 柳田くんが助けに来てくれて 凄くホッとできた。それに…。」 「なになに?」 奈央は顔を近づける。 「一度だけ『彩花』って呼んでくれた。 その瞬間、スーッて不安が消えたの。」 夢か幻かと思ってたけど やっぱりあれは現実だった。 「だからね、その.... 本当にお礼が言いたいだけなの。」 「わかった。わかったかーらー。」 奈央は鼻歌を歌いながら 楽しそうに病室を歩く。 柳田くんは 今 どうしているかな? 私の事 思い出したり考えたりしてくれるだろうか....。
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