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「なんだか、幸せそうね。」
奈央はニヤニヤしている。
「そ…そうかな?」
「うん。なによー。
助けられて恋に落ちちゃったわけ?」
私は顔が火照った。
「違うのっ!
地震で閉じ込められたとき一人で物凄く怖かったけど、
柳田くんが助けに来てくれて
凄くホッとできた。それに…。」
「なになに?」
奈央は顔を近づける。
「一度だけ『彩花』って呼んでくれた。
その瞬間、スーッて不安が消えたの。」
夢か幻かと思ってたけど
やっぱりあれは現実だった。
「だからね、その....
本当にお礼が言いたいだけなの。」
「わかった。わかったかーらー。」
奈央は鼻歌を歌いながら
楽しそうに病室を歩く。
柳田くんは
今
どうしているかな?
私の事
思い出したり考えたりしてくれるだろうか....。
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