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宝クジで一等一億円が当たった。
嬉しいよりも、恐怖の方が先だった。
なぜなら、オレが一億当たるのは初めてじゃない。
前回は散々な目にあった。
寄付攻勢にであい、家の電話は鳴りぱっなしだった。
夜も眠れない。
こんな思いするなら宝クジなんて買わなきゃ良かったと、何度も思った。
そのオレが気まぐれに一枚だけ買った宝クジが、一億円当たった。
運がいいのか、悪いのか、わからなくなってくる。
オレは当たった一億円の使いみちを、決めていた。
盲導犬の育成に寄付する。
オレが目も悪いこともあって、そう決めていた。
匿名で寄付するつもりが、できなかった。
相手側からの熱心さについ名前を名乗ってしまった。
盲導犬協会からは感謝状を贈りたいと言われたが、辞退した。
だか、情報はどこからか漏れる。
名前を名乗ったことにより、また電話攻勢にであった。
もう、寄付する金がないのにだ。
オレは無理矢理に寄付しても、自分の意志で寄付しても同じことだと知った。
いや、学んだか。
一億円あったら、それは人生の岐路に立たされたと思え、それがオレの教訓だ。
にしても、一億円も三度当たると、嫌気がさすな。
また、何処かへ寄付しよう。
今度は匿名で……。
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