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一人部屋に残された智也は、翔太を呼んでいた。 「どうしてそんなにムキになったんだよ。お前らしくないな。」 「いや…梨紗にあぁ言われて黙ってられなかったんだ。」 「まぁ智也の梨紗ちゃんへの想いが、こんなにも伝わってないのも不思議なくらいだけどな。」 智也は聞こえてないフリをした。 「それで、お前は彼女作る気なんかないんだろ?」 「あぁ。」 「でも梨紗ちゃんが本気になれば、彼氏なんてすぐできるぞ。どうすんだ?」 「それがわかんねぇからお前を呼んだんだ。」 翔太は少し時間をかけて考えた。 「もう梨紗ちゃんに告るしかないんじゃないか?」 「それはできない。」 「なんでだよ。」 智也は吸っていたタバコの火を消した。 「翔太に相談したのが間違えだったな。」 「なんだよそれ。」 翔太もタバコの火を消した。
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