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「どうぞ。」
「…どうも。」
智也は少し驚きながらも火をもらった。そして相手の顔をよくみた。火をくれた相手は、見るからに学生の女の子だった。
智也がタバコを吸うのをみて、女の子も自分のタバコを取り出し火を点けようとした。
「まだ早いんじゃねぇの?」
「うるせーよ。どうせあんただって未成年のころから吸ってんだろ?」
そう言われた智也は黙ってタバコを吸った。女の子はフーッと煙を吐いた。
「まずっ。」
「はぁ?じゃぁなんで吸うんだ?」
「関係ねぇだろ。」
「お前、優しい奴かと思えば口悪いな。」
「ほっとけよ。なんか見てたら可哀想になって、火貸してやっただけだから。」
「じゃぁなぜお前は俺の横で吸うんだ?」
「場所がないから。」
それから二人は静かにタバコを吸った。
「お前は高校生?」
「お前って言うな。」
「じゃぁ名前は?」
女の子はしばし黙っていた。
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