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「智との勝負は無かったとしてもやっぱり彼氏は欲しいし、もっと積極的に自分から動こうって決めたの。」
「本気か?」
「うん。」
梨紗は真剣な顔で頷いた。
「彼氏が出来たら智に買ってもらう物も決めたし。」
「勝負しないんじゃないのか?」
「勝負をやめたとは言ってないもん。だから智も頑張ってね。じゃぁね。」
梨紗は笑顔で部屋へ入った。
「はぁ…。酒、まだあったかな?」
智也は今日も酒に溺れた。
次の日の仕事は二日酔いで散々だった。
休憩時間になると智也を心配して、一人の男が近づいてきた。智也の五つ上の大庭だった。
「どうした智也。今日は調子悪そうだな。」
「頭が割れそうなんスよ。」
「酒に強いお前が珍しいな。何かあったのか?」
「女の事でちょっと…。情けないっスよね。」
智也は作り笑顔を見せた。
「情けなくねぇよ。俺も結婚する前はそんな時期もあったな。」
「大庭さんでもそんな事があったんスね。」
「お前は俺のことどうみてんだよ。」
二人は笑った。
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