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「部屋まで一緒に行ってやるよ。」
「えっ、大丈夫だから。」
「いいから。」
「…ありがとう。」
二人はゆっくりと階段を歩いた。
部屋につくと、智也は梨紗をベッドに座らせた。
「とりあえず水でも飲め。」
智也は水を注ぎ、梨紗に持っていった。
「他に何かいる物…。」
智也が梨紗のもとへ行くと、すでにスースーと寝ていた。
「人の気も知らねぇで…。」
智也はコップを置き、梨紗にそっと毛布を掛けた。
そして梨紗の枕元に『ポストに鍵がある』と書き置きを残し、部屋を跡にした。
自分の部屋へ戻った智也は複雑な気持ちでいた。
翔太と話していた『智也の想い続けている女』とは、まさしく梨紗の事だったからだ。
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