第1章

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まぁ、なんとなくはわかっていた。 携帯小説でもこんな感じの話はたくさんある。 幼馴染みで、みたいな話はたくさん読んできた。 それは無意識だったけど 今考えてみれば、宏樹が好きだからだったのかもしれない。 携帯小説は、必ず結ばれる運命にあるから。 ハッピーエンドだから。 「結衣、カラオケ行こっか。放課後空いてる?」 「うん!空いてるよ!」 結衣と遊ぶことは数え切れないほどある。 その中で結衣が私に宏樹の事が好きだと相談してくれた日もあった。 だけどわたしは結衣の前で恋愛相談をしたことはない。 だってそんなことしたら、結衣の好きな人を奪うなんて画ができちゃうでしょ? 「優音とカラオケなんて久しぶりだね!」 「たしかに。先月行ってないもんね!」 そして今でもまだ宏樹の事が好きなんて言ったら、結衣はどんな顔をするのか。
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