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「東条社長……」
貴方にとって、立花 葵って何ですか?
それから……。
私は、貴方にとって何ですか?
不意に風が吹いてきて、私は薄手のコートの襟をぎゅっと握った。
「……」
私は、手にしているスマホを見つめる。
東条社長にかけた発信履歴の画面を出した。
冷たい画面を指がさ迷う。
(何……考えてるの、私)
確かめたい。
今すぐに……。
それが本音。
だけど……。
そんなことして、どうなるのよ?
仕事だったら?
ただ邪魔なだけ。
プライベートだったら?
それも、邪魔なだけ……。
「何か、私……」
今、すごく嫌な女だ。
私、こんなキャラだったっけ?
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