4piece 揺れる心

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「自信なんて、全っ然ありませんから」 乳液をつけながら、私は返した。 そして、クリームファンデを塗ろうとした、その時。 不意に、長い指先に顎をすくわれる。 「……!」 驚いて見開いた私の目に、立花 葵の端正な顔のアップが飛び込んできた。 「綺麗な肌」 そう言って、彼女は細い親指を少しだけ、私の頬に滑らせる。 同性で、恋のライバルなのに、あまりにも綺麗な顔立ちに、一瞬目を奪われてしまった。 そんな私を品定めするように、彼女の視線が向けられてくる。 「ノーメイクの綾瀬さんて……」 じっと私を見つめてから言った。 「何か、高校生みたい」 鼻先で笑うと、立花 葵の手は私から離れ、ヒールの靴音を鳴らしながら、洗面所を出ていく。 「なっ……なっ……」 胸の底から沸き上がる感情が、爆発した。 「何なのよ~!?」 私の声が、洗面所に反響する。
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