ひねくれアラフォーピン女とロト6

2/11
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ
…高卒&専門学校中退、36歳。 ついにアラフォーに突入したものの、何の代わり映えもない毎日が続く実家暮らしのしがない事務員。 借金こそないけれど貯金と言えるお金もないことをマズイと思いつつ、それでも間食として食べる物やつまらない小物などをついつい買ってしまう…無駄遣いを止められない。 …そりゃ自分より頭が良くて地元では一流企業と言える会社で働いているはずの兄が何かと借金を作っては自分や母にタカりに来て、こっちがよほど苦しくならない限りなかなか返しに来ない…なんてことがあればハラがたつってモンでしょ…。 看護士と結婚し、新居を建て、4人の子供がいる兄を母は助けてあげたいようだけど、だからと言ってパチスロや自分の欲しい物のために借金をこさえてくるのはどうかと思うのは私だけ? その上、雨漏りする家・調子が悪い家電たち・10年以上乗っている車…不安になるのも当たり前の話だよね…。 …もちろん、家には実質2万円程度しか入れていないクセに貯金するようなお金を残さない自分が悪いんだろうけどさ…。 「…こんな人生、宝くじでも当たんなきゃ変わんないよなぁ…。」 …いつもならそう思いながら宝くじ売場の前を横切って、昼食のお弁当を買いにスーパーマーケットに入っていくだけなんだけど…。 「…お、今キャリーオーバーが出てるんだ、ロト6…。」 宝くじ売場の周辺に立っているノボリが妙に目を引いたのだ…いつもなら立っていても足を止めるほど引かれることはなかったのに。 たぶん引かれる原因は、買い物を終えた今の時点で財布の中に入っている千円と明日が給料日という状況だろう…車のガソリンはまだ十分あるし、今日の夜に整骨院に行くのを我慢して明日の朝食を何とかすれば5口は買える。 そして実は今日の星占いで私の星座・乙女座は1位、金運も最高だったりする。 それでもなけなしの千円…私は財布と宝くじ売場を見てはウロウロと歩き回る…。 「…えーい買っちゃえ!」 意を決した私はロト6の申込カードを手に取った。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!