第1章

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高校に入って二度目の春が来て、僕は二年生になり、当たり前のように先輩達は三年生になった。 今日は今年初めての委員会の集まりで、僕は今年も変わらず図書室に居る。 というか、殆どが既にお馴染みのメンバーだ。 それもそのはず。 図書委員は昼休みに放課後、更に長期休暇中にも当番があるから、地味に面倒臭くて人気が無い。 だからやるのは、余程本が好きな人か、クラスのじゃんけんで負けた奴。 そして進級してからも、中々図書委員が決まらないクラスでは「お前去年も図書委員だったろ?」って押し付けられるみたいだ。 僕は前者だから、当番があってもそんなに苦にならない。 本読んでられるし。 自分の読みたい本を注文したりもできるから。 ちなみに渡瀬先輩は後者だったらしいんだけど、その人望のおかげで今年の委員長に選ばれた。 先輩、人気者だからなぁ。 みんなの拍手に嫌そうな顔しちゃって。 精々頑張ってくださいね~なんて思ってたら、バチッと目が合って。 ニヤリと笑った先輩に、副委員長に任命されてしまった。 本当、相変わらず憎たらしい。
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