ある男の心情

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出かける時は食事か、散歩だ。 趣味がないので、何かが欲しいなどと思わないから、見に行くこともない。 あまり腹はすいてないので、近くの公園に足を向けた。 ここの公園は気に入っている。 街中にあるものとしては大きいだろう。 一周すると、そこそこの距離があるので、ジョギングをしている、老若男女が絶えない。 空いているベンチに座る。 ここからの眺めが気に入っている。 目の前には日本庭園風のよく整備されたものがある。 眼の保養には、ちょうどいい。 入り口の方に眼を向けると、人の出入りが絶えない。 公園の中の様子とは違い、微妙に近代的だ。 よくわからないオブジェと、自治体の看板が対照的だ。 地面はアスファルト舗装はされていないが、綺麗に整備されている。 以前、見たのだが、道路工事に使われるローラーで固めているようだ。 何か柔らかい土を入れているのだろうか、妙に弾力性がある。 この通路の脇には、適度な樹木が生えている。 木漏れ陽が、こころを癒すようだ。 入り口の逆側に眼を向ける。 子供たちが元気に遊んでいる。 子供用の遊具でいっぱいだ。 しかし、幼かった頃の定番の遊具は、ほとんどない。 ブランコですら、ない公園もある。 (少し過保護過ぎるだろ) と、よく思うことがある。 親が好き嫌いをするから、子供に食物アレルギーが出るんじゃないか、とよく思っていた。 最近でも、時々ニュースになる。 子供に無理やり日本蕎麦を食わせて、アレルギーショックで死亡させてしまった。 このようなことは、私が子供の頃から大人になるまで、聞いたことがなかった。 何もかも過保護にすればいいものじゃないとは思うのだがな。 自分勝手な親もいるもんだ。 ほとんどの今時の親が、そんなもんだと思ってはいるが。 元気に遊んでいる子供たちとは別に、こんなところまで携帯ゲームを持ち込んで遊んでいる。 よくわからない世の中になったものだ。 ベンチを立って、少し歩くことにした。 運動不足は、身体に毒だ。
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