0人が本棚に入れています
本棚に追加
ある公園の光景
空が、別世界にも昇っているような、快晴。
(いい天気だ)
私は芝生に寝転んでいる。
(気持ちいいな)
ここは私の家から、そう遠くない、自然公園だ。
私は働いていた頃、気分転換にここまで自転車でよくいていた。
芝生が青い。
樹木がところどころに茂っている。
花は咲き乱れている。
小川のせせらぎも、こころを癒してくれる。
そして何よりも広いのだ。
よく整備されている、市民の憩いの場だ。
有料なのだが、仕方がいないことだろう。
これほどに癒される場所は、私は知らない。
そして、私の目の前には、子供たちの笑顔がある。
笑顔が眩しい。
私も自然に、笑顔になってしまう。
(こころから笑ったのは、何年ぶりだろう)
少女が、私にそばに来た。
佳奈子という。
「カナちゃん、楽しそうだな。よかったな!」
「うん!先生!ありがとう!」
佳奈子は、またみんなの輪に入った。
(先生、か)
私は、自治体に頼みこんで、嘱託員として、あの孤児院に配属させてもらった。
そして、子供たちのために、寄付を続けている。
この子達が歩んでいく人生を、見たくなったのだ。
最初のコメントを投稿しよう!