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僕『(食欲が無くなって1ヶ月が経った。最後に食事をしたのはいつだったか)』
僕『(僕はいつの間にか食事が面倒臭いと思っていた。食欲がないせいか食べてもあまり美味しくない。味が無い訳じゃない。ただいつも美味しいという記憶と実際の味に落差を感じてしまい、ガッカリしてしまうのだ)』
僕『(まるで気に入っていた店の味が落ちてしまった時のような落胆をいつも感じる)』
僕『(だがあと2ヶ月頑張れば旅行出来るくらいの金は貯まる。そうなれば僕はまた美味しく物を食べれる)』
僕『(そして今になって気付く。元々旅行に行くために食費を減らしていたのに今では美味しく食べる為に旅行に行こうとしている)』
僕『(それだけ、今の僕は飢えているんだ。美味しく食べることをそこまで望んだのは初めてだった)』
僕『(食欲が出るようになったらまず肉を食おう。きっと感動する。そういや誰かが言ってたっけな。人間肉を食うだけで幸せになれるって)』
僕『あ』
僕『(バイトに行くためにいつも通る道の横断歩道を渡ろうとしたら車のクラクションが聞こえた)』
僕『(真横からトラックがこちらに向かっていた。足に力が入らない。とてもじゃないが避けれない)』
僕『(そういえば、信号見てなかった)』
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