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あまり食欲がなかった僕も、ビールを呑んだら少し元気を取り戻した。え? 未成年だろうって?大丈夫だよ、ノンアルコールの『一番絞り』だから。僕は法律もしっかり守る(努力をしている)。
次々に運ばれてくる、いろいろな部位、心臓とか、胃とか、大腿筋とか、腸とか…って言いながら食べるのって君はどうかな?僕的には結構、趣味。これを解剖学的焼き肉堪能法って言うんだ。ちなみにコブクロって知ってる?そう!子宮だよね確か。そう考えるとあのデュオは勇気あるよね。それとも関係ないのかな意味的に(モモもこの時ばかりは肉食獣に見えたりもした。でもあくまでモモのイメージはガゼル。それはその内わかってくれると思うよ)
二人で六千円越える豪華なディナー(ごちそうさま)を終えて、彼女のアパートに送り届けた僕は、肉食の後だけあって、ちょっとした狼気分だった。けれど、チーターやライオン相手じゃ敵わないから尻尾丸めて帰りました。月が綺麗だったので、一声叫んでしまいましたが。(基本的に男はオオカミだから気をつけてください。)
僕らのサークルは、毎年、夏には長野のセミナーハウスで合宿している。長野の有名な観光地に近い素敵な所だけど、格安の値段だから僕にも参加できる。もちろんモモも一緒だ。考えてみると同じ屋根の下で初めてモモと一緒に過ごすんだ。これは大変な事で、且つ記念すべき事だって男の君ならわかってくれるよね。そんな訳で、僕はこっそり頭の中でいろいろなシミュレーションでモモとの事を考えてしまった。あのね僕が知る限り、男ってそんなもんなんだよ。君の夢壊しちゃうかも知れないけど男は基本的にHです。
軽井沢から車で三十分程走った所に、僕らの大学のセミナーハウスはある。湖の湖畔に建っていて、ロードには適当なアップダウンがあるし、近くには共同のグランドだってある。しかも一応は高地だし、合宿には最適な環境なんだ。勿論、夜には星が手に取れる程近くに見える。だから夜の散歩にも最適。こんなシチュエーションで一緒にいられるなんて怖いくらいに恵まれているね、自分。
多分モモだって、多少は僕の事を考えていてくれているはず。この合宿の事を考えると前期のレポートや試験になんかに集中出来ない。でも補講だけは御免だ。合宿に行けなくなるからね。僕らの大学はその辺は厳しく温情はあまり期待出来ない。
とりあえず頑張るよ、今夜は。
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