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「もっと早く言えよ。」
私は外しか見れなくて、彼がどんな顔をして言っているのか分からない。
「気持ちに気付くのが遅くて、それに歩美とつきあっているのにそんなこと聞かされても困るよね。
すみませんでした。ほんと、忘れて。」
いつのまにか以前のように会話が出来るようになっても彼は他人のものだ。
「アホか。いや、俺がアホか。」
アホなんて何か月ぶりに言われたのだろう。
「歩美に謝って別れたんだ。さつきに対して怒っていたし、自分に対してもっと腹が立った。
さつきにはとっくに俺の気持ちが伝わっていると思ったのにショックだったんだよ。」
彼は急に話し始めた。
ずっと私を好きでいてくれたこと。気持ちはとっくに伝わっているものだと思い込んでいたこと。だから、歩美と付き合ってもいいと言われてショックだったこと。
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