第1章 ダンジョンとはなんぞや、とカヤーマは問う

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よく来たなヒヨッコども。ワシがここのギルドの新人担当教官カヤーマである。 見ての通りのドワーフの戦士じゃ。これでもそれなりに名は通る冒険者じゃ。よろしくの。 ん?どうした。声が聞こえんぞ。 …… うむ、まぁヒヨッコとしては上出来じゃろ。 まぁ、まずは自己紹介からしてもらうとするかの。 おい、そこのお前じゃ、お前。さっさとせんか。 ふむ、なるほど。お前さんがリーダーという訳か。で、獲物はなんじゃ……違う、違う。使う武器はなんじゃと聞いとるんじゃ。 ほう、剣か。まぁ基本じゃな。前衛遊撃か、盾を持てば防御担当といったところかの。 よろしい。では次はそこのデカいの、お前じゃ。 おぉ、お前さんは斧か。なかなか見どころのあるやつじゃな。斧はいいぞ、戦いだけでなく普段使いにも役立つからな。 パーティーのなかでは前衛の物理火力担当かの。 で、お前さんは短剣か? あぁ、なるほどの。斥候役兼トラップ担当か。シーフという奴じゃな。 お前さん手は器用か? そうか、そうでなくてはシーフは務まらんからの。 さて、そこのお嬢さんは何をやるのかの? なんと魔法使いか。 最初は大変かも知れんが、極めれば一撃で敵を倒せるようになるから頑張るのじゃぞ。 最後はこれまたチッコイお嬢さんじゃな。で、そのチビ助は何ができるんじゃ? ん? 僧侶か。ほほぅ、これまた心強いの。 回復役がいるのといないのとでは生き残る確率が違うし、継戦能力もダンチじゃからな。 これで全員かの。 タイプも皆違って、5人組。魔法も回復も出来ると……うむ、なかなか理想的なパーティーじゃな。 しかし、安心してはいかんぞ。 例え理想的なパーティーが組めたとしても、それだけでは何にもならん。 何よりチームワークと皆が心合わせられる目標が必要じゃ。 お前たち、なぜ冒険者を目指すのか、何をしたいのか決まっているのかの? 何? 金を稼いで一旗上げたい? アホウ!そんなことは当たり前じゃわい。ワシだってガッポガッポ稼いで、花街でウハウハしたいわい……ん、ゴホゴホ。話が逸れたの。 つまり、冒険者としてどういったことを目標に、どんな道を進みたいのか。
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