第1章 ダンジョンとはなんぞや、とカヤーマは問う

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常にまわりを見て、他と違う魔力が多いところは気を付けるべきじゃな。知らぬうちにダンジョンに迷い込み、用意もないまま進めば待つのは死あるのみじゃ。 そこをまずは覚えておけ。 ここまではいいか? そこの魔法使い。メモなんぞ取るんじゃない。ダンジョンのなかでそんなもの読んでいる暇があると思うておるのか、愚か者め。 ここではメモは必要ない。メモがなければ思い出さんようなら、明日はモンスターの腹の中に収まっとることになるぞ。しっかり頭に叩き込んでおけ。 話を戻すが、ダンジョンには色々な形があり見た目に騙されてはイカンということだの。 もちろん自然発生的はダンジョンには魔力のないものもある。 それとは何が違うのか? ただの穴ぐらにモンスターがいても、それはただそこを住処をしただけじゃ。 討伐すれば居なくなる。それで終いじゃ、二回目はない。そんなところに何度も潜るアホウな冒険者は居らん。 だが、魔力の籠もったダンジョンになるとそうはいかん。 討伐してもまた湧いてくる。ここがただの穴ぐらと違うところであり、一番厄介なところだな。 そして、忘れてはならないのがそういったダンジョンには必ずヌシと呼ばれるボスがいるということじゃ。 もちろん人為的に配置されたものもあるが、自然発生的に出来たダンジョンにも必ずといっていいほどボスはいる。 なぜか? 当然のことながら、モンスターも生きておる。 奴らだって飯も食えば、糞もする。 となれば、当然食物連鎖が起こり、より強いものを頂点にした階級が出来上がってくる。 そういった強い個体はダンジョン奥深くの安全なところ、言うならば一等地に住んでいるという訳だ。 浅い階層にはあまり強いモンスターがでないのは、そういった理由じゃな。 よって、力もない冒険者が不用意に奥深くまでいくことは、絶対にやめておくべきことだと覚えておくように。 まぁ、個別には色々違いはあるが、あくまで一般的にはダンジョンとはこういうもんじゃ。 そういった千変万化のダンジョンにお前たちは挑まなくてはならない。 じゃから、ダンジョンの形ではなく本質を見極める必要があるのじゃ分かったか、ヒヨッコども ん? おう、もうこんな時間か。 それでは今日はここまでとしようかの。 明日も必ずくるのじゃぞ。
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