第1章

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たかが一億円。 そう思いつつ、片側の口角を不自然にあげながら通帳を眺める。 親戚や友人は増える。 しかしこれまでになく周囲に対する不信感は募るばかり。 たかが一億のために人生を振るわけにはいかない。 だから、そのときがいつ訪れてもいいよう 今日もシミュレーションに余念がない。
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